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成長

こんな話を書いて良いのかわからないけど、この気持ち忘れたくないから綴ります。

3週間前までは元気に歩いてた人が再び笑顔をなくしました。

7月に入院してきた方で初めは一人で歩くことさえできなかった。

自分に自信をなくしていて当初は笑う事もほとんどなかった。


歩くのに十分な身体機能は持っていた。

必要なのは自信。

その時に約束したんだ、病棟から見える公園で一緒に散歩できるようになろうって。

その時は無理だよって切り替えされたけど、気持ちではそれを望んでいたのがわかった。


どんなに小さな事でも良いから毎日1つずつ自信をつけてもらいたかった。

歩行練習の時は、初めは抱えてるのに等しいくらいの介助で歩いてた。

次の日は片手で介助、そして3週間後には手をつないで歩いてた。

そして次の日にはつないでた手の指をを4本に、次の日は3本の指で、次は2本、さらに1週間後には小指だけをつないで歩き、そして一人で歩けるようになった。

目に見える成果を自信につなげたかった。

1mが2m、2mが10mと…。

日に日に笑顔が増えてきて、1ヵ月後には満面の笑みで俺に話しかけてくれてた。


歩くときは決まって『1・2、1・2…』と声を出して歩く。タイミングがとれるように俺がいつも横でリズムをとっていたんだけど、いつからか俺が言わなくても必ず言うようになっていた。

9月の初旬に公園での散歩が実現したんだ。

本当に嬉しかったよ。

もう一人で歩けるんだけど、俺が横にいないとすごく不安になってしまうから必ず横か後ろにはついていた。

次の日、俺は後ろについて公園の散歩をしていた。彼女はいつもの『1・2、1・2…。』っていう掛け声で歩いてる。

ちょっといたずらをしてみたよ。

途中まで俺も『1・2、1・2…』って一緒に声を出していたんだけど、途中で気付かれないように立ち止まり彼女の背中を見守った。

50mくらい先に行った所で声を掛ける。

振り返った彼女の顔は驚きと、一人で歩けるっていう嬉しさでいっぱいだった。

あの顔が今でも忘れられない。

その日から病棟でも一人で歩くようになったんだ。


10月初旬に状態が急変してしまった。

1週間後にはリハビリ休止。

それでも毎日朝と夕方会いに行ってたよ。

ベッドの横には2週間前に病棟スタッフに贈ってもらった写真付きの誕生日カードがおいてある。

この笑顔をもう一度みたい。

1週間後、彼女は息を引き取った。


その数十分前に話掛けた時、目で俺の顔を認識してくれたよ。

その顔が少し笑ってみえた。


横でご家族がたくさん話をしてくれた。

ここまで歩けるようになったのは奇跡だったと。

いつも病室では俺の話をしてたこと。

初めて公園であるいた時のこと。

何回ありがとうって言われただろうか。

涙をこらえるのに必死だった。


また明日来るからね。ありがと。


そう挨拶して部屋をでた。

我慢してたものが一気に流れ出した。


いつも言ってる事で、このblogでも何回か書いてるけど、今まで出会った人達みんなから少しずつ何か大切な物をもらって今の俺がいるんだよね。

これからもこうやって大切な物をもらって新しい自分を創っていきたいね。
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プロフィール

あきち

  • Author:あきち
  • 1982年3月2日生まれのうお座。
    東京都府中市在住。
    生まれも育ちも府中のけやきっ子です。

    理学療法士として働いてます☆

    『誰かの為に生きる』

    永遠の課題であり、目標です。
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